宮花物語
「……勇ましい、女達なのですね。」

「そうだな。」

生まれ育ったのは、争い事とか戦い事には、一切関係ない村だった。

黄杏は、胸に不安を抱いたが、まだ自分に襲ってくる事など、微塵も分からないでいた。


それから一週間後。

黄杏を連れた信寧王の一行が、宮殿に辿り着いた。

「ここが……宮殿……」

赤を基調に、青、黄、緑に塗られた壁。

そして、豪華に施された黄金の装飾。

「凄いだろう?」

隣に、信志がやってきた。

「私の先祖が、建国の際建てたのだ。それから、代々の王が改築を重ね、今でも建立当初の姿を保っているんだ。」

「へえ……」

黄杏は、そっと信志を見た。


村での信志は、確かに精悍で、誠実で、洗練された雰囲気がしていて、だがそれは、都の中でも上流階級の家で育ったからなのだと、思っていた。

そして今は、それが少し違って感じる。

都の上流階級なんて、とんでもない。
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