宮花物語
「さあ、どうぞ。」

「ありがとう。」

女人にお礼を言い、黄杏が湯船に浸かる。

「あなた達は、一緒に入らないの?」

「私達は、使用人専用の湯殿がございます。」

「そう。でも、少しくらい……」

黄杏が後ろを振り返ると、女人達が騒いでいる。


裸の信寧王が、湯殿に入って来たのだ。

「王……」

「どうだ?ここのお湯は、いい湯加減だろう。」

信志は、女人の手を借りず、自分でたらいにお湯をすくい、豪快に体にかけると、そのまま豪快に黄杏が入っている湯船に入ってきた。

「はぁああ。旅の疲れも取れる。」

湯船の縁に腕をかけ、すっかり気を許している様子の信志。

「聞いたか?今日、式を挙げる事。」

「はい。」

「やっと、そなたを妃に迎えられる。」

隣で微笑む信志に、黄杏は女人がいる事を忘れて、その肩に寄り添った。

「いつまでも、仲睦まじい夫婦でいよう。」

「はい。」
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