キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
今頃後悔したって、遅いのに……。
理香子も、隼人もみんな、もういないんだから。
***
『ゆりちゃんに託すのは間違ってるってわかってるの。でも、どうかお願い。理香子と隼人の命を救ってほしい』
目が覚めた。泣き腫らした瞼が重くて、カーテンの隙間から漏れる光が痛い。
見た夢は、はっきりと脳裏に焼き付いたまま記憶されている。まるで私が体験したかのような感覚で、美樹ちゃんの想いが流れ込んでくるかのような夢だった。
身体が重いのはたぶん、熱があるからだろう。そう思って体温を測るとやはり美樹ちゃんと同様に三十八度あった。
かなりキツい。背中や関節痛がひどく、頭痛もする。だけど人生最後の日、休んで過ごすわけにはいかないのだ。
制服に着替えて家を出た。背中の数字はちゃんとゼロになっていた。
よくよく考えてみるけれど、美樹ちゃんが体験した今日は、今日実際に起こりうることなのだろうか?
美樹ちゃんの記憶によれば理香子ちゃんが体育館が燃えてしまうほどの爆発を起こしたらしいけれど、理香子ちゃんの動機は美樹ちゃんによるいじめであった。
だけど私が美樹ちゃんの身体に入って生活してからは、誰も理香子ちゃんをいじめてなどいない。
動機がなければ、事件も起こらないんじゃ……?
「…………」
頭がうまく回らない。体調不良がまさか人生最後の日にやってくるだなんて。
だけど、弱音ばかりじゃダメだ。気を引き締めなければ。念には念を。