キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
万が一ということがある。
「美樹ちゃん、おはよー」
「おはよう。今日は頑張ろうね」
教室に入るとお祭り気分のみんなが出迎えてくれた。テンション高めで、聞こえてくる話し声もワントーン高い気がする。
話し込むクラスメイトとは別で、ベランダでひとり空を見上げる理香子ちゃんを見つけた。
みんなを巻き込んで自殺した彼女の心境を思うと、やりきれない。
とても辛かったに違いない。
みんなを巻き込んだことをいいことだとはけして言えない。だけどそこまで追い込まれていたことを鑑みると責めきれない。
私は「いじめられる」ということの本当の意味を知っているから。
どうしようもない苦しみ。消化できない怒り、悔しさは、自分をこの世界から消してしまいたいという感情へ流れていく。
復讐の気持ちが理解できないわけじゃない。どうせ死ぬなら、傷つけてきたみんなもって、私だって考えなかったわけじゃない。
美樹ちゃんが死ななかったのは不幸中の幸いというよりは、遺書のような手紙を美樹ちゃんの家のポストに入れたことを考えると、理香子ちゃんの意思だろう。
悲劇のあと、美樹ちゃんに読んでもらって、後悔させたかったんじゃないかな。一生ぶんの苦しみを背負わせたくなったんじゃないかな。死ぬことよりも、辛い道を歩んでもらいたくて。
そんな気がする。
「おはよう、理香子ちゃん」
「おはよう、ゆりちゃん。元気?」
「うん」