キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
若干フラフラするけれど。
笑顔を途絶えさせないようにしなくちゃ。
「いよいよ今日だね」
「うん」
「本当に、行かないの?」
「……うん」
「死ぬの、怖くないの?」
少しだけ上目遣いで、遠慮がちに聞いてきた理香子ちゃん。
「怖いよ」
死ぬのは怖いよ。消えたあと、どこに行くんだろうって考えると果てしなくなる。
「でも、死んだことをなかったことにできないから」
自分が死ぬのを止めるよりも、大切な人が死なずに済んだのかを確かめるほうが私にとっては重要だから。
私が飛び降りるのは、午後八時。それに間に合うようにここを出たら、後夜祭での事件が起きたかどうかなんて確認のしようがないもの。
だから……行かない。それでいい。
「なかったことにできない、か……」
「うん」
「そっか……」
理香子ちゃんの顔が明らかに暗い。それほど私の命を想ってくれているってことか。
心優しい理香子ちゃん。そんなあなたが他人を巻き込んで死んでしまうほどだったんだよね。いじめの辛さ、脅威。
彼女の優しさで溢れた心を壊したいじめはそれほど罪深い。
「おはよ」
「隼人くん」
「なに話してるの?」
「……ううん、別に!今日は楽しもうね」
窓からひょこっと顔を出したのは、隼人くんだった。
あまりのカッコよさに、一瞬で胸が高鳴った。