キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
言葉がつまる。すんなり出てきてくれない。
どんな言葉をかけるのが最善なのかわからない。
「ほんとに、ごめん……っ」
「待って……っ、理香子ちゃん……っ」
理香子ちゃんが走っていなくなる。
私は立ち上がって扉に手をかけるけれど、やはり鍵をかけられたのか開かない。
ああ、もう、どうして中から開けられないんだろう……!
手に力が入った拍子に、持っていた手紙がぐちゃっと音をたてた。はっとする。止まることのない時が、一瞬だけ停止した気がした。
溜まった唾を飲み込んで、そっと中身を開けると手紙を読んだ。
《ゆりちゃんへ。
ごめんなさい。
全部、記憶が戻りました。
私も死んだとき、記憶をなくしてタイムスリップしてたみたい。
私は一度目の今日、ステージ裏にガソリンタンクを用意して、それに火をつけた。
機材に火が燃え移って、それで体育館が爆発したの。
覚えてる。たくさんの人がそれで亡くなった。
だけど、ごめんなさい。
私はやっぱり、生きていく自信がないです。
ゆりちゃんならこの気持ち、わかってくれるよね?
この一ヶ月半、私はいじめられることはなかった。
だけど、記憶が戻った今、みんなの優しさが、笑顔が白々しく感じてしまったの。
いじめられていたとき、助けてくれなかったくせに。
一緒になって、いじめてきたくせに。
本当はみんな意地悪な悪魔のくせにって。
私は誰かを信じる力を、いじめに奪われてしまったみたい。
この先新しく出会う人にもきっと、私は同じ目で見てしまう。
もしかしたら、意地悪な人なのかもしれないって。
私はこれからもずっと、楽しく生きていくことなんてできっこない。
せっかく死ぬ前に戻れたのに、私は生きたいとは思えなかった。
もしかして、ゆりちゃんもそうですか?
だから、学校を抜け出して自分を助けに行かないんですか?