キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。


「だ、大丈夫……」

「もう、危なっかしいな」

「ごめんね……」



理香子ちゃんが深く鼻で息を吐き、肩を落とした。だけどそのあと可笑しそうにぷっと息を吹き出した。



「ほんと、あなたって美樹と正反対」

「えっ?」

「行こう。ちゃんと説明してよね?」



ぐっと腕を掴まれて、連行される。そのまま、廊下を出てぐんぐん進んでいく。たどり着いたのは、中庭のベンチ。


いくつか木でできたベンチが立ち並んでおり、ここはどうやら生徒たちのご飯を食べるスポットとして人気のところらしい。ひとつのベンチを除いて全ての席が埋まっていた。



「空いててよかった。座ろう」

「うん」



ふたりで並んで腰かけた。
そばに聳え立つ大きな木が、ベンチに影を落としている。


理香子ちゃんがお弁当を広げているので、私も同様にお弁当の風呂敷を広げた。可愛らしいピンク色のお弁当箱。よく見ると、理香子ちゃんが使っている黄色のものと色違いだ。



「……これ、夏休み前にふたりで買ったんだ」

「そう、なんだ」

「可愛いでしょ。小さいからお腹いっぱいにならないんだけど、これがいいって毎日ママに言ってるの」

「…………」



ぱくぱくとご飯を口に入れていく。
理香子ちゃんから美樹ちゃんの話をされると、ご飯の味がわからなくなる。


私が美樹ちゃんの姿で彼女の横にいるのが、申し訳なさすぎるのだ。
本来なら、ここにいるのは美樹ちゃんで、理香子ちゃんだって美樹ちゃんとお弁当を食べたかったに違いない。



「……でさ、」

「……?」

「あなた誰なの?」

「…………」


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