キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
きた。とうとう、この質問が。
私から切り出すべき話題だったのに、理香子ちゃんから切り出させてしまった。
「……私は、理香子ちゃんの言う通り、美樹ちゃんじゃない、です……。ほんとは、新垣ゆりっていいます」
「ゆりちゃん?」
呼ばれて、深く頷いた。
「なんで美樹ちゃんの身体のなかにいるのか、自分でもよくわからなくて……自殺して、目が覚めたらこうなってた」
「自殺?」
また深く頷いた。
お弁当を掴む手に、力が入ってしまう。地面に映る自分の影を見つめる。
「信じてもらえないかもしれないけど、私、一ヶ月半後の未来からきたの」
「…………」
「ベランダから飛び降りたらタイムスリップしてて、美樹ちゃんの身体のなかにいた」
頭のおかしい女の子って思われてもしょうがないことばかりを、言っている。その自覚はある。
けれど隼人くんに話したときも若干思ったのだけど、死んでしまった私に、失う恐怖はもうなにもない。
ここで軽蔑されて信じてもらえなくたって、どうってことない。残りの日々は消化試合みたいなもの。
そこに意味は、きっとなにもない。
笑って生きたいけれど、私のような現実ではありえないことが起きていることを、隼人くんのように簡単に受け入れてもらえるなんて思っていない。
なにかアクシデントがあって、また死にたくなっても、私は怖くない。もう死んでいるに違いないのだから。どうせ消える。
私は今、イレギュラーな人生の番外編を生きている。そんな感覚。
隼人くんと出会えたことも、イレギュラーな出来事。通常の時間軸で生きていたら、あり得なかったこと。
長い夢の中にいるのかもしれない。その可能性もまだ、捨てきれない。
明日突然元の身体に戻ってしまう可能性だってあるのだ。