キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
腕を掴まれて懇願する理香子ちゃんに、私は先ほどのように頷けない。
行くのは簡単だ。電車を乗り継いで二時間ほどで到着する距離なのは、昨日スマホのマップを見て把握している。時間はかかるけれど、行けない距離ではない。
けれど自分に会いに行くのは……怖い。
一度捨てた自分に、どんな顔で会いに行けばいいのかわからない。
なによりあの学校に近づくのが怖い。いじめてきていたクラスメイトに会うのも、怖い。
「お願い。美樹が心配なの」
真っ直ぐに私の目を見る理香子ちゃん。その芯の通った強い目線と言葉から目を背ける。だけどゆっくり目線を戻した。
これは、私ひとりの問題じゃないんだ。
私だけ怖いから逃げたいって感情だけで、美樹ちゃんや理香子ちゃんを突き放してはいけない。
私が自殺したせいで、ここにいる人たちの幸せな日常を奪ってしまっているなら、私ができることをしないと、
巻き込んでいるのが私なら、私だけワガママを通すわけにはいない。
「……わかった。明日行こう」
私の返事を聞いた理香子ちゃんが笑顔になる。
「ありがとう」
「ううん」
微笑まれて、私も笑うことができた。
心を通わせるってどんな感覚だったのか、忘れていた。
だけど相手が笑って、私も笑って、少しずつ打ち解けて、こうやって仲を深めていくのかな。
私は、本当の友達なんてできないまま、死んでしまったから……。
「お弁当食べちゃおう」
「うん」
「他にゆりちゃんのこと知ってる人っている?」
「あ……隼人くんが……一応……」
「隼人⁉︎」