キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。


唇を尖らせた理香子ちゃんがまるで"つまんない"と言いたげな表情をしている。


でも……。



「今恋をしたところで、私にはもう一ヶ月半しか残ってないから……」



自分が思っていたよりも辛いトーンで話してしまったことを、話し終えてから気づいてしまった。
こんな話をされても、理香子ちゃんは困るだけだろうに。



「そんなこと気にしなくていいんじゃない?」

「……?」

「人間いつ死ぬかわからないのは、みんな同じだよ。もしかしたら私の方がゆりちゃんより早く死んじゃうかもしれないんだから」

「…………」

「時間がないとかそんな理由で諦めるぐらいなら、恋したほうがいいと思うな」



ぐっと、喉元が痛くなる。
じわじわと瞳を涙が覆っていく。水中にいるみたいに、景色が揺らいでいく。どうしてこんなに涙腺が緩んでしまうのだろう。


人と触れ合わなさすぎて耐性がなくなっているとしても、昨日からあまりに泣きすぎだ。



「あと一ヶ月半しかないなら、その一ヶ月半だけは後悔しないように生きてもいいんじゃない?」



すとん、と、心の中に言葉が落ちていく。
そして、ほろりと熱い涙が溢れでる。
にっこりと笑ってくれた理香子ちゃんが驚いて、私の背中をさする。



「うん……っ、ありがとう……っ」

「えっ⁉︎なんで泣いてるの⁉︎泣かないで?悲しい?苦しい?」

「違うの……っ、嬉しいの。いままでこんな風に私のことで真剣に意見くれる人なんて、いなかったから……っ」


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