キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
けれどなかなか体調不良にならなくて、毎日掛け布団から出る作業が嫌で嫌でしょうがなかった。
制服を手に取る。着ていた服を脱いで、鏡の前で背中を確認した。数字はまたひとつ減って、四十七になっていた。
朝食を平らげて美樹ちゃんのお母さんの「いってらっしゃい」の声に「行ってきます」と答えて家を出る。
田舎町に飛ばされて三日目の朝だけれど、田舎の朝は好きだ。とても空気が美味しい。テレビで何度も田舎の空気が美味しいとレポされている様子を見たが、私はいままさにその通りだなと身をもって体感している。
夜の星も月も、都会のそれとはまるで違う。
昨夜眠る前、夜空を見ていたとき、切ない想いが込み上げてきた。
私が飛び降りた日の空にも星はあったはずなのに、見え方がこうも違う。
自殺したのに、明日目覚めなかったら嫌だなって、少し考えてしまったことに嫌悪感を抱いた。本来、この身体は美樹ちゃんのもので、私が過ごしている時間も美樹ちゃんのものだ。
一秒でも早く美樹ちゃんがこの身体に戻って、私も元の身体に戻ったほうがいいに決まっているのに、明日も隼人くんや理香子ちゃんに会いたい。笑いたいって、願ってしまう。
隼人くんと話してカウントダウンされている期間、あと一ヶ月半ほどは、諦めた人生を謳歌してもいいんじゃないかって、そう確かに思えた。
けれど理香子ちゃんの美樹ちゃんに対する想いに触れたら、それは大それた願いなのではないかと気づいてしまった。
自分で「死」を選んでおいて、図々しいのではないかって……。