キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
「はぁっ……」
息を吐いた。
苦しい。生きるって、苦しい。
窮屈で、いつまでも抜け出せない迷路みたい。
暗闇で、どこにも光なんてない。
迷って、行き止まりに落胆して、そしてまた同じところに戻る。その、繰り返し。
だからいつまでも同じことをぐるぐると考えて悩んでしまう。エンドレス。
──「ゆり」
呼ばれた。呼ばれた気がして、はっとした。その声は確かに隼人くんの声だった。
周りに誰もいないってことは、これは私の心の中で響いたものだということ。
私は無意識のうちにも彼に助けられるらしい。重く、沈みかけていた心が彼の一声で軽くなる。
歩く歩幅が広くなる。早く会いたくなってきた。
辛く苦しいときに会いたくなるって、隼人くんは私にとってどんな人なのだろう?
命の恩人。孤独だった私の心の拠り所。けれど、それだけじゃない気がしてきた。
答えはまだ、出ないけれど。
学校に到着して、私は迷わず階段を駆け上がった。そこにいるであろう人物をめがけて。
階段をノンストップで進むと、足に乳酸が溜まる感覚がした。
扉を開くと、朝日がより近くに感じた。
「……っ……」
一瞬眩しくて目を細めて閉じた。
だけど時間をかけて瞼を開けると、そこには会いたかった彼がいた。
「おはよう、ゆり。大丈夫?」
爽やかな笑顔に、息をのむ。
「おはよう、隼人くん」
「うん、おはよう」
「……おはようございます」
「ぐふっ……うん、おはよう?」