キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
大きく頷いた隼人くん。
目が、宝石のようにキラキラ輝いている。
隼人くんの目には、なにが映っているんだろう?
同じ田舎の景色を見ているはずだ。けれど私の目が彼と同じように光っているとは思えない。
「どんなマジシャンがすごいマジシャンなのかずっとわからなかった。ただ漠然とおじいちゃんみたいになりたいって思ってた。でも、ゆりに出会って教えてもらったんだ」
「え?」
身に覚えのない話題すぎて、素っ頓狂な声を出してしまった。微笑みを絶やさない隼人くん。私は首をかしげた。
いつ?どうやって?
私は、なにもしていないというのに……。
「笑わせたいって、思ったんだ」
「…………」
「僕の手品でゆりを笑わせたい。もっと多くの人に笑顔になってもらいたいって、マジシャンになってなにがしたいかわからなかったのに、具体的な夢ができた」
隼人くんがクスッと笑って、恥ずかしそうに肩をすくめた。
そんな大それたこと、私はしていない。
「隼人くんが優しいからできた夢だよ」
「ううん。優しくしたくなった、ゆりの人柄のおかげだよ」
そういえば、同じようなことを昨日、理香子ちゃんにも言われたことを思い出す。
自分じゃ、私が他人からどう見えているのかなんて、わからない。優しくしたくなるって言われても、自分じゃわからないのだ。
いじめられていたぶん、自己評価はかなり低いから、否定したくなる。
だけど……隼人くんの言葉は、素直に聞き入れたくなるのだ。
「嬉しい……。ありがとう。隼人くんの夢、応援してるね」
天国から、とは、言わなかった。
「頑張るよ」
「そばでその夢を見ていたかったな……」