キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
慈しむように、ひとつずつ丁寧に言葉を選んでくれている。それがひしひしと伝わってくる。
「こんな言い方して、ゆりを傷つけたらごめん。でも、人より何倍も辛いことを経験したことは、きっと無駄じゃなかったはずだよ。ゆりは自分に自信がないかもしれないけど、傷だらけだからこそ、誰よりも人の心に敏感でいられるんだ」
「買いかぶりすぎだよ……」
「そんなことない。気づいてなくてもいい。ただ、知らず識らずの間に、人を傷つける人もいるんだよ」
彼の目線が下がったことに気づく。
「……誰のこと?」
そう問うたのは、下がった目線の先に、誰かを見ている気がしたから。
「……誰でもないよ」
「本当?」
「うん。でも、人ってみんな優しくない。みんなに優しくはできないんだ。僕もそうだよ」
「どういうこと?」
「ゆりに優しくできても、他の人に同じように優しくできるかわからない」
わかりやすく説明してくれているはずなのに、理解できない。首をかしげると、隼人くんがニコッと笑う。
「ゆりが特別ってことだよ」
心臓を言葉の矢で、射抜かれた。加速するドキドキに、顔をうつむけた。
……これを人は「恋」というのだろうか?
ドキドキする。隼人くんの言葉、仕草、笑顔に。
隼人くんのことが好きなのかな……。
好きってなんだ?どういうことだ?
いじめられていたとき、こんな風に心にゆとりなんてなかった。毎日生きることに必死で、恋について考えている余裕はなかった。