キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。


でも今は空の色や、吹く風に心を委ねる時間さえある。周りの景色に、意識を向けられなかった。


どうしていじめられるんだ。どうして私ばかり辛い目にあわなきゃいけないんだ。
同じ時間を生きている、同じ年の子たちのはずなのに。


そうやって、意地悪なことをして、心のない言葉を浴びせて笑っていた人たちを恨む他なかった。


私と同じ苦しみを味わえばいいのに。
いつか、この人たちも死にたくなるぐらい辛い想いをすればいい。


誰も助けてくれない孤独のなかで、嘲笑われて、言葉と身体の暴力で、身も心もおかしくなっちゃえばいい。いつもみんなのことを心の中で罵倒し続けていた。


心が崩れ去って、醜くなっていく様が自分でもわかっていた。


ずっと、ずっと、苦しかった。
私はずっと、ひとりぼっちだった。私は優しくなんか、ない。


でも今は、となりに心を許した人がいて、目の前には空と田舎町がある。田んぼが、畑が、川が、ある。
私は自然と笑えて、自分のことを話せて、自分のことを話してくれる人がいる。


心穏やかに、誰の不幸も願わずにいられる。


これをなんと例えるのが一番しっくりくるのか。考えてもひとつしか思いつかない。



それは……。


……「幸せ」だ。



***



人生の番外編を生きていて、幸せを感じるなんて誰が予想できた?
願えば叶うなら、生きているうちに幸せを感じて、あわよくば生き続けていたかった。


誰がせっかく生まれたのに、死にたいと思う?


生まれてきたことに、理由も、意味もない。私は生きて死んで、そう結論づけた。ただ、生きていると、それらが欲しくなる、知りたくなることも理解できる。生きていたから。


もしかしたら。
人は誰しも生きていれば迷うのかもしれないし、逃げ出したくなるのかもしれない。


生きることも、死ぬことも、勇気がいる。


今感じている幸せは、タイムリミットがあるから感じられているのかもしれない。
だけどそれでもいい。私の意識が、感情がなくなるまで、


私はこのままで、生きていたい。


それは、許されますか?

自分で自分の人生にピリオドを打った私でも。


それは、許されていいですか?

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