キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
それからまた時間が経っても、"私"はいっこうに現れなかった。もう帰宅部の人たちは出尽くしたのか、校舎から出てくる生徒がいなくなった。
おかしい……。
こんなに帰宅時間が遅くなるわけないのに。
「……ちょっと捜しに行こうか」
「え、ちょ、ゆりちゃん……⁉︎ いいの⁉︎ 勝手に入って……っ」
自分でも大胆すぎる行動かなと思った。だけどじっとしていられなかった。
友だちもいないし、部活動にも入っていない。いじめの主犯格の女の子たちも帰った。なのに出てこないなんて。
こんなの、どう考えたって、おかしい。
ずんずん進んでいく。けど、姿を見られないように慎重に。特に先生なんかに見つかったら絶対めんどくさいことになる。
音楽室のほうから吹奏楽部のチューニング音が聴こえてくる。なんの楽器の音かまでは、わからない。
階段を登って、私の通っていた教室に向かった。
三日前の未来で、もう二度と足を踏み入れたくないと願った場所だ。
廊下を歩き、たどり着く。恐る恐る教室を覗くと、そこには誰もいなかった。
「教室、ここ?」
「うん。でもいないね……」
私の後ろを身を屈めてついてきていた理香子ちゃん。私の席を確認しても、そこにはかばんがない。
もう帰った?見逃してしまったのか?いや、でも、そんなわけ……。
そのとき、ふと思い出したのはもう使われなくなった旧校舎の一階、一番端の薄汚れた教室に閉じ込められたときの記憶だった。