烏丸陽佑のユウウツ
「...こんばんは」
「よお。不法侵入の犯罪者君。そして俺を無理矢理抱いたセクハラ?よく来れたな」
「あっ。えー...ちょっと。...そんな言い方は...それは誤解ですって。でも今朝はすみませんでした、お騒がせして迷惑を掛けました。陽佑さんには抱き着いちゃったし」
「フ、まあ座れよ。セクハラは冗談だが、何が誤解だ...。そのつもりだったんだろ?何時になろうと、当然朝には帰って来る訳だし。中でじっと待ってりゃいいんだから。入って来た途端、抱き着いてしまえばいいんだから。
梨薫ちゃんなんて、自分の部屋に入ったら気も抜くだろうし、抱き着かれても動揺するだけで無抵抗と同じだからな。な?そうだろ?」
「そうなんですよねぇ。梨薫さんは部屋だと何だか警戒心が無くなると言うか...。あ、すみません...確かに、...待ってる内に段々と...全く下心が無かったとは言いません」
「だろ?」
「はい。抱きしめるくらいの事はしてもいいかなって…それは思ってました。許してくれるだろうって。帰ってないって解って、戻る迄は心配します。顔を見たらきっとそれだけで安心して、無意識にだって抱きしめていました。結局、同じ結果です」
「…はぁ。黒埼君」
「は、い」
「君は何て言うか…いい位置に居るような気がするよ…」
「え?何です?」
「持ってるキャラなのかな…」
「え?え?何ですか?」
「…泊まっただろ」
「え、あ。…それは、はい。自分からおねだりしました」
「はぁ…そうだろそうだろ。上手く許可が出たって事だ」
「あ、まあ。え?なんで知ってる…梨薫さ、ん、ですか?」
「あ、うん、まあな。珍しくメールなんかして来たから」
「…へぇ。あ、でも、一緒には寝てないですから」
「…当たり前だ。本当に…梨薫ちゃんは無防備過ぎるよな。な?…な?」
「な、なんですか…。別に、俺は、梨薫さんを攻めたって、何か責められる謂れは無いですよね」
「あぁ無いよ?別に責めてる訳じゃない。俺はそんな立場には居ない」
ふざけたふりで責めてるのは、あんな風に一緒に居る光景を見てしまったからだ。二人はいつもはこんな感じなんだって。あまりにも自然体で…、あんなの目の当たりにしたら、らしくも無く、嫉妬を表に出してしまったんだよ。