烏丸陽佑のユウウツ


【陽佑さ〜ん…、いつ戻るんですか?】

【だから今夜には店に出てるから】

【夜って何時ですか…。早く帰って来てくださいよ。会いたいんです、俺。会って話したいんです】

【フ、俺に言う言葉か…。そんな甘い言葉は、丸々好きな人に言うもんだ。昼間帰ったところで、どうせ仕事してるから会えないじゃないか】

【そうですけど、そんな気持ちなんです】

フ、本当…人の気持ちを上手く捕まえるな…。

【甘い言葉で落とされたから、ちょっとだけ早く帰っとくよ】

もうなんでここに居るのかさえ解らなくなって来た。最初からどこに居たって、今の俺にとったら同じだったんだな。

【やった。嬉しいです】

は…だから意味ないだろ?まあ、こんな風に言ってくれるのが女だったら俺はぞっこんだな。難しくなくて、素直で可愛い、…いい女だよ。…フ、少しからかってみるか。

【俺のオンナにならないか?】

…。

【考えてるのか?】

【考えさせてください】

…。

【冗談だからな】

【解ってますよ】

…。

【ハハ、案外元気じゃないか】

【何言ってるんですか、陽佑さんだって、元気じゃないですか】

…。

【仕事しろよ、給料泥棒】

【してますよ、ちゃんと】

…。

【店で待ってるよ】

【はい。必ず行きます。顔見て話したいんで】

…やっぱり、女なら可愛いくて堪らない女だよな…。

【酔い潰れたら、店の部屋、借りられるんですか?】

【それは駄目だ。最初からそんな事言う奴には使わせない、きりがなくなるから】

…。

【“男”人禁制なんでしょ】

【当たり。じゃあな】

【はい。では、夜に】

……はぁ、…さて。俺はどうする…。おまけだ。もう少しからかうか。

【酔い潰れたら襲うぞ】

【考えさせてください】

フ…ハハハ。…うん、何だか本当に元気になって来た気がする。こっちに来たのも帰るのも黒埼君がきっかけじゃないか…。
< 45 / 105 >

この作品をシェア

pagetop