烏丸陽佑のユウウツ
【陽佑さ〜ん…、いつ戻るんですか?】
【だから今夜には店に出てるから】
【夜って何時ですか…。早く帰って来てくださいよ。会いたいんです、俺。会って話したいんです】
【フ、俺に言う言葉か…。そんな甘い言葉は、丸々好きな人に言うもんだ。昼間帰ったところで、どうせ仕事してるから会えないじゃないか】
【そうですけど、そんな気持ちなんです】
フ、本当…人の気持ちを上手く捕まえるな…。
【甘い言葉で落とされたから、ちょっとだけ早く帰っとくよ】
もうなんでここに居るのかさえ解らなくなって来た。最初からどこに居たって、今の俺にとったら同じだったんだな。
【やった。嬉しいです】
は…だから意味ないだろ?まあ、こんな風に言ってくれるのが女だったら俺はぞっこんだな。難しくなくて、素直で可愛い、…いい女だよ。…フ、少しからかってみるか。
【俺のオンナにならないか?】
…。
【考えてるのか?】
【考えさせてください】
…。
【冗談だからな】
【解ってますよ】
…。
【ハハ、案外元気じゃないか】
【何言ってるんですか、陽佑さんだって、元気じゃないですか】
…。
【仕事しろよ、給料泥棒】
【してますよ、ちゃんと】
…。
【店で待ってるよ】
【はい。必ず行きます。顔見て話したいんで】
…やっぱり、女なら可愛いくて堪らない女だよな…。
【酔い潰れたら、店の部屋、借りられるんですか?】
【それは駄目だ。最初からそんな事言う奴には使わせない、きりがなくなるから】
…。
【“男”人禁制なんでしょ】
【当たり。じゃあな】
【はい。では、夜に】
……はぁ、…さて。俺はどうする…。おまけだ。もう少しからかうか。
【酔い潰れたら襲うぞ】
【考えさせてください】
フ…ハハハ。…うん、何だか本当に元気になって来た気がする。こっちに来たのも帰るのも黒埼君がきっかけじゃないか…。