烏丸陽佑のユウウツ


わざわざ訪ねる事をしない限りは、生活パターンも違うから会う事もない。
俺の中で終わっているモノも、黒埼君が来て話す事で人物は忘れる事なく存在し続けてしまう訳だが...。


クリスマスは俺も普段通り。仕事だ。
どうかな。黒埼君は上手く過ごす事が出来るのかな。
首尾よくいったら報告があるか。隠しておけないタイプだからな。

ブー、おっ、噂をすれば、か。

【陽佑さん...】

これは何だか知らないが駄目なヤツか。

【梨薫さんが...】

何だ、またこのパターンか。何がどうなんだ。

【部長との予定が入ったって。土曜の夜から押さえられてしまいました】

な、ハハハ。クリスマスの事か。部長さんとなら、こだわりたくないというクリスマスも承諾するのか。

【そうか。部長の誘いを断らなかったって訳だ。それで引き下がるのか?日曜の夜だってあるじゃないか】

【はい。俺、帰って来るまで待ってるって言いました】

【そうか】

部長の誘いを受け入れた。それでも、黒埼君は、まだ何か決定的な事を言われた訳でもないんだ。部長さんとは、まだお試し期間のようなモノなのか…。

【日曜の夜も帰って来ないかも知れないな〜】

これは意地悪か。

【だとしたら、それはもう決まりって事になります】

そうかも知れないな。

【変に期待を持たせる訳では無いが、まだ当日迄解らないじゃないか。誘いを断るかも知れない】

【ドタキャン狙いですか?そんな事は、部長が梨薫さんに予定を告げた段階で有無は言わせないと思います。そんな人だって梨薫さんも知ってると思います】

そうか。そうだろうな。余程の理由が無い限り、断る事も無い訳だ。何も用も無く断るなら、構わないのでは、と言われてしまうか。嘘の用なんて通用しないだろうしな。

【月曜辺り、黒埼君が泣いてるのか、解るな】

【言わなきゃ解りませんから】

フ、ハハ、そうだな。でも言って来るだろ。

【ハハハ、泣くって言っても嬉し泣きの方だぞ】

フォローにならないか。

【そうなったら抱き着きに行きますよ】

ハハハ。全力でだな。んー、…仕事も、恋も、全力で、か…。
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