烏丸陽佑のユウウツ
「そういうの含めてさ、解ってるから、今の方が相手に理解があるよな」
「´彼´じゃないなら、特に詮索もしなくて済む。ドタキャンでも、あ、そう、またね、て感じだ。
この後、本当は別の人と会うんじゃないの、とか、不安にならなくて済む」
「ホッとしたか?潰れて」
「...どうだか。まあ帰るよ。帰って来るなら一緒にご飯食べたいからな。急いで帰って作らなきゃな」
「は。それは…ご馳走様」
「何だ、当たり前だ…こちらこそ、ご馳走様だ。おやすみ」
「おやすみ、気をつけて帰れよ」
「ああ、じゃあな。
俺は考え方も変わってる冷めた人間だから、何の参考にもなる事は言えなかったな」
「いいよ別に。俺の問題だ」
「ああ、人の目にどう映っていようと、自分の気持ちだ。決めるのは自分だ」
…そう。誰の目にどんな風に映ろうと、判断するのは自分だ。どんな参考意見があっても最終的には自分だ。
結婚という確約は作らない。定まってないから好きでも不安は付き纏う。それも刺激の一部にして紫ちゃんにもずっとドキドキさせておくつもりなんだろ。それも一つの方法だ。
上手く行けば、離れる事の無い一生の恋愛といったところか…。銀士榔だって、いつ終わりが来てもいいなんて言ってても、ずっと一緒に居たいに決まってる。俺に惜し気もなく、堪らなく惚れてるなんて言うんだから。最後の恋だよ。
元彼と出掛けるなんて…信じてなきゃ出来ないな。
ブー、…。ん?黒埼君か。
【居ないんです。居ると思ってピンポンしても出ないし、どこか出掛けたのかと待ってみてるんですが、帰って来ません。それとも、暗くして居留守を使われてるんですかね】
【解らないな。こっちには来ないだろうし】
黒埼君が納得いくようにするしかないだろう。
【待ってみます】
そうだろうな。
【カイロ、まだ持ってるか?】
【はい。目茶苦茶貼りまくります】
…そうか。ま、様子をみるしかないだろう。梨薫ちゃんの事は、何を考えているのか、するのか、今は俺には全然解らないからな。