烏丸陽佑のユウウツ
俺は店の裏の部屋のベッドに突っ伏していた。
今じゃ無い…、これは…夏だ。
頗る不愉快だ。気分の悪さがはっきり解った。
結構な量の酒を飲んでいた。…あの日か。
こんな夢ってあるのか…。
…あ、梨薫ちゃんの膝の上で…頭を撫でられている。俺が気持ち悪い程、甘えた日だ。
俺は、あの時…あのまま、梨薫ちゃんの手を引き…したいと思ったんだ。
…あ、馬鹿、何してる。今、考えたからか?…。
俺は触れていた手を離し、その腕を伸ばし梨薫ちゃんの顔を引き寄せた。
顔を交差するように頬にキスをした。見ている今の身体がピクッとなった。
そこまでだ。これがあの時、不意にしたかった衝動だった。
何だこれ。こんな事してないじゃないか。…いや、したいと思ったから、夢に見たのか。
だからこの夢か、何だこれ。…あ。あ。
完全に覚醒した。目が覚めてしまった。
はぁ…何だよ…、俺。何だよ、今更こんな夢…。
顔を両手で覆った。
夢の中の酒のせいなのか、見た夢の切なさなのか、はっきり解らないドキドキに見舞われた。
…夢だけど、確かに梨薫ちゃんの頬に触れた感触はあった。
あんまり、ぐちゃぐちゃと整理のつかない頭で考えてるから、こんな夢見たんだな。…強烈な欲望か?…。
馬鹿じゃないのか、俺の思考…。
寝てる時は全部止めておけよな。
どんだけ眠ったのか…。
いつもの時間に目は覚めていた。
起きてカーテンを開けた。