烏丸陽佑のユウウツ
夢というのは不思議なモノで、寝入り端まで考えていた事はやはり夢に見易いのだと確信した。
今日も俺はキスをした余韻と共に目を覚ました。
今回の夢は一緒に海に行った時のモノだった。
あまり眠れてないから、少し寝ようか、そう言ってお互いにソファーに横になったんだった。
俺は向かいのソファーから眠っている梨薫ちゃんを見ていた。
俺と一緒に来る事、今夜帰らずここで過ごす事になる。それをどう受け止めて来てくれたのか、多分、危険を感じるなんて事もなくだ。
そういう関係性だからこそ、今だって、昼間だとはいえ、無防備に眠っているんだ。
…男と見られてはいない、そんな存在なんだなと思って見ていたんだ。
眠る梨薫ちゃんを見ていた俺は、起き上がり腰掛け、更に梨薫ちゃんを見ていた。
いきなり立ち上がった俺は梨薫ちゃんに近づいた。
屈み込んだ。
…何するつもりだ。そう思って見ていた。まただ。
俺の頭の奧、過ぎったモノ、目の前の俺が、今しようとしていた。
仰向けの顔の両側に手をついた。更に屈み込んだ。上唇が梨薫ちゃんの下唇に触れた。挟み込むようにキスをした。
…あ、はぁ…。俺が物凄くドキドキしているのが解った。
…罪悪感か?起きてしまわないかと思ってるのか?
顔を見て今度は瞼に触れた。
わー、もう止めろ。止めてくれ。これ以上の欲望は…。
そして目が覚めたんだ。
ここに来て欲望の塊が爆発したのか…。
にしても、はぁ…夢ならもっと大胆でいいんじゃないのかとさえ思ってしまう。
だけど、夢だから、こんな切ない事を見せるのか…。
これは…未練なのか…。