烏丸陽佑のユウウツ


俺がいい人、て、どういう意味で言ったんだろ…。

…最初から最後まで、芝居抜きの本当の話だよな?
黒埼君は正直だ。

俺に話して無い事は無いのかな。こんな事をつい考えてしまうのは、彼より歳くってるからか。それとも俺がただ下衆なのか…。

梨薫ちゃんも、よく解らなくて考えているにしても長過ぎやしないか。
黒埼君はじっと我慢…そんな気持ちでずっと待ってるつもりだけど。

「オーナー?年末年始の休業日、貼り出しておきます?」

「そうだな。もう貼っといてくれ」

「解りました」

明日で今年の営業も終わりだ。

休みは何も考えてないな…。
気分次第だな…こっちに居るか、あっちでぼーっとするか。

日の出くらいは見に行くか。そしたら移動して置かないと渋滞に巻き込まれてしまうか…。
元日の天気予報次第だな。

下手に海岸に出たら、普段居ない人が湧いたように居るからな。

ベランダから見るのが無難だろ。

よし。あっちに行って…明けて仕事始めの前の日に帰って来るか。

「オーナーはどっか行かれるんですか?」

「俺か?俺は勝手気ままにフラフラだな」

「あっちですか?日の出も見えるしいいですよね」

「んー、まあ、天気が微妙ならただ海眺めるだけだけどな」

「それもいいじゃないですか。安らげますよ」

安らぎ、か。

「橋本は?」

「俺は実家に帰ります」

「そうか。のんびりゴロゴロだな」

「はい。食っちゃ寝です」

俺も実家と言えば、実家があるんだったな。

…会ってしまいそうだな。

「明日は早目にしまうから」

「はい」
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