艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「俺に捕まっておけ。迷子になられると困る」

私には驚きの声をあげる暇すら与えられずに駒宮室長は私を引っ張って歩く。

だけど、いつも駒宮室長が歩くスピードよりも今日の歩幅は狭くて、ゆっくりとわたしの歩幅にあわせて歩いてくれているのが分かる。

だけど、迷子って。

26歳にもなって、迷子になることなんてないし、今の時代、スマホという連絡手段だってあるのだから。

それに、これだけ長身でオシャレで、それでいてイケメンで目立ちまくっている駒宮室長なら、私がもし迷子になっても見つける自信はいくらでもある。

だってさっきからもう何度も、駒宮室長を振り返ってみる女性がいるのだから。



それから、私たちは人気のセレクトショップなどを1つ1つ見て回った。

その間も、駒宮室長は握った私の手を離してなんてくれなくて、私の意識は握られた手にばかり向かってしまって、胸がうるさい位に音を立てる。

海の近くにあるデートスポットだけあって冷たい浜風が吹くと、駒宮室長の手が余計に暖かく感じた。
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