艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
瞳がハートマークになっている郁ちゃんの様子を見ながら、祥子さんがため息をつくと静かに郁ちゃんに尋ねる。

「それでどうしたいの?郁ちゃん」

祥子さんは、郁ちゃんのこともどうやらお見通しらしい。


郁ちゃんは小さく息を吐くと、顔を真っ赤に染めている。


「このまま見ているだけでも満足ですけど、やっぱり初めて3次元を好きになったからには、駒宮室長に少しでも近づきたいわけです」

頬を染める郁ちゃんの瞳は、恋する乙女のものになっていてキラキラと輝いている。


「3次元に初めて恋した。その相手が、駒宮一史だった、ってわけね」

「そうなんです。リアル初恋です。そして根っからのオタクの私としては、まずは彼のことを知らないといけないと思いまして……」

私はやっぱり蚊帳の外で、祥子さんと郁ちゃんでどんどん話は進んでいく。

< 13 / 262 >

この作品をシェア

pagetop