艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「嫉妬しているのか?安心しろ。頼んでいたものを取りに行くだけだ」
妙に色気を含んだ艶のあるバリトンボイスが私の耳元をくすぐる。
やっぱり駒宮室長は、超能力でもあるのかもしれない。
私の気持ちなんて、全部お見通しのようだ。
私は思わず、駒宮室長を見上げると視線がかち合う。
駒宮室長の少しだけ揺らいだ瞳の中に自分の姿を見つけて、なんだかその視線を反らせなくなってしまう。
そんな私の表情を見て、駒宮室長はふっと小さく、そして柔らかく微笑んで見せる。
「すぐ戻ってくるから、大人しく待っていろ」
そう言って、駒宮室長は私を胸の中から解放すると私の頭をポンポンと軽く叩き、そそくさと廊下を歩いて行ってしまった。