艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
さっきからうるさい位に音を立てている心臓の音が自分でもはっきりと聞き取ることが出来る。

胸が締め付けられるように苦しくて、叩かれた頭の一部だけが、やけに熱を帯びている。

抱き寄せられた感覚も、駒宮室長の匂いだって鮮明に未だ私の中に焼き付いてしまっている。


さっきまで嫉妬と不安を覚えていたというのに、駒宮室長の言葉でなんだかそんな気持ちも消えてしまった気がしている。


私、やっぱり駒宮室長のことが好き。


そう思うまでに、それほど時間はかからなかった。

「報告したいことがあります。今夜、集合しましょう」

私は郁ちゃんにメールを送った。

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