艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「今になってそんなこと言うなんて……。私、まどかさんの気持ちなんて知っています」


きっと、罵られるって思っていたのに。


「はぁ……」
郁ちゃんの思いがけない言葉に、私は目を白黒させたまま、次の言葉が見つからないでいる。

だって、そんなことあり得ない。



「もう、私だって3次元に恋したのは初めてですけど、恋愛漫画はまどかさんより読み漁っているんです。まどかさんの態度とか言葉できっと駒宮室長に恋しているんだってことはすぐに分かります。」

「はぁ……」

郁ちゃんの言葉が私の想定していたものではなくて、さっきからもう声なんて出ない。


「オタクを甘く見ないでくださいね!!!」

郁ちゃんは鼻を鳴らしながら、少し笑うと、ジョッキに半分ほど残っていたビールを一気に飲み干した。

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