艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「……お疲れ様です」

少しだけ声が上擦ったことを気が付かれないようにしながら頭を下げる。

「お疲れ。佐々田、その服よく似合ってる」

小さく乾杯しながら、駒宮室長は目を細めた。


今日は、ウエストに大きなリボンをあしらったピンクベージュのAラインのひざ丈クラシカルワンピース。

いつもより高いヒールで、派手すぎたかなと思っていたけれど、駒宮室長にお世辞でも褒められるとオシャレしてきてよかったと素直に思える。



「この1か月近くは、本当に大変だったな。よく頑張ってくれた」

「そうですね。大変でしたけど、いい経験になりました。ありがとうございました」


駒宮室長の言葉に大変だったことが次から次へと思い出されて、なんだか鼻の奥がツンとしてくる。


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