艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「萩原たちとあんなに大声で喋っていれば、嫌でも聞こえる」


席に戻った駒宮室長は缶のプルタブを開け、一口コーヒーを喉に流し込む。

上下する喉仏が、ただでさえ色気のある駒宮室長の色気を増長させる。

「コ、コーヒー、ありがとうございます」

私の言葉に少しだけ表情を崩した駒宮室長が小さく頷く。


まだ熱いくらいのコーヒーを少しだけ飲んでみる。

苦いはずのコーヒーが、今日は何故だかやけに甘く感じた。


『報告:駒宮室長、ほんの少し、ほんの少しだけど優しいところもあるようです』


差し入れのコーヒーを飲みながら、私は郁ちゃんにメールを送信した。
< 51 / 262 >

この作品をシェア

pagetop