艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「…だ。佐々田、おい!!」


「はっ、ハイっ!!」

いけない、駒宮室長に見惚れてしまっていた。

上擦ってしまった声で返事をしたせいで、駒宮室長の眉間の皺が深くなってしまったから私は肩を竦める。

「聞いていたか?」

「もっ、もちろんです!!」

聞いていないなんて、口が裂けても言えません。

しかも、駒宮室長に見惚れていたなんて絶対に言えません。

私が無理矢理に笑顔を作って見せると、駒宮室長は呆れたように盛大にため息を吐く。

多分、駒宮室長のことだから私の嘘なんてお見通しなんだろうな。

そんなことを思っている隣で駒宮室長は、せっかくだからと私の企画書の進捗状況を細かくチェックし始めて、的確にウルトラ初心者の私にも分かりやすいアドバイスをくれる。


< 57 / 262 >

この作品をシェア

pagetop