夕日の中の思いを君に伝えたくて
めんどくさいな、なんて思うけど血は染み込んだら取れないし、あの制服では停学明けの学校にも行けないからしょうがない。

家に帰りコンビニで買ったおにぎりを食べ水を飲み、眠りにつく。
どれくらい眠っていただろうか眩しい光に目を覚ました。
起き上がり光の元を見る。カーテンを閉めていなかったため、ダイレクトに入ってくる赤い夕日。
その瞬間フラッシュバックされる思い出

『今日は警察ごっこをしよう。俺は刺された人の役もするから、まずはその現場作りをしよう』

『うん!どうやってするの?』

『そのおもちゃで思いっきり俺にぶつかってきてごらん。俺はそれにあわせて倒れるから』

大好きなお兄ちゃんといつも通り遊ぼうとしておもちゃを持ってぶつかったらお兄ちゃんは倒れた。倒れる時お兄ちゃんは私に

"ごめんな"

と言った。最初はお兄ちゃんはすごい演技力だな、なんて思ったけどお母さんが帰って来て泣き叫ばれ、怒鳴られて気づいた。とんでもないことをしてしまったと…
その日の夕日はとても綺麗で泣き叫ぶお母さんの顔、お腹から血を流し倒れて意識を失っているお兄ちゃん、怖くてただぼーっと立っている私を赤く照らして嘲笑っていた。

< 12 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop