夕日の中の思いを君に伝えたくて
沙奈とことん性格が悪い。

「沙奈?大丈夫だからね」

クラスの女子の1人が沙奈をなだめる。すると私の方に歩いてきて急に頬を叩いた。
教室には乾いた音が響いた。

「あんさ、こんなこと起こしてまでそんなに注目されたかったの?沙奈がスカウトされたからっていじめることはないじゃん。桜龍の姫もさ泣いてたんだよね、私友達だから知ってるの」

意味が分からない。なんで私が叩かれるのかも、説教されるのかも

「なんとか言ったらどうなんだよ!!」

クラスの男子が私に思いっきり蹴りを入れた。その瞬間私の保ってた何かが壊れた

「ふざけんなよ…お前ら馬鹿みたいに集まって気持ち悪いんだよ。後ろの沙奈だってそうだろ?1人じゃなんもできない。私に言い返すことも出来ない。結局お前らは手を繋いどかないと何もできない無意味な集団じゃん」

「じゃあお前は違うって言うのかよ」

私は違う。誰の手も取らない。取ってはいけない。誰かを殺めてしまったこの手では…

「取らないんじゃなくて、取れないんだよ…」

私はそう言うと私を蹴った男子を殴り飛ばした。その瞬間に聞こえる悲鳴。

「お前!こいつがどこの族に入ってるのか知らないのかよ?!」

「族?私はそんなの知らない。じゃあさ、あんたらは私が裏でなんて呼ばれてるか知ってる?」

みんなして頭上にハテナマークを浮かべる。そりゃそうか、クラスメートがあんな野蛮で孤独なやつなんて思うはずもない

「分からないなら教えてあげる。赤猫」

そういった瞬間みんなの顔が青ざめていく

「そ、そんなわけねぇだろ?!お前嘘つくのもいい加減にしろよ!!」
< 9 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop