番犬男子
もしそうなら、あたしとお兄ちゃんの兄妹の仲を引き裂く、手強いライバルね。
早めに釘を刺しておかないと。
あたしは真剣なのに、遊馬は噴き出した。
「あははっ、それはねぇよ!あいつらはどっからどう見ても、師匠と弟子、飼い主と忠犬、強い兄と慕う弟って感じだぜ?」
最後の兄弟の例えは、取り消して。
腹立つから。
「本当に?」
「ほんとほんと!考えすぎだって!」
そう言い切る遊馬を信用しよう。
安堵の息をついた。
杞憂でよかった。
「そういう意味では、どっちかっつーと、幸汰はお前のことのほうが……」
「それこそないよ」
冗談はやめて、と途中で遮った。