番犬男子
カラス殺しの男子は遊馬に怯んだが、強気な態度をし続けた。
「むしゃくしゃしてたんだよ」
「は?」
「せっかく俺たち下っ端が、双雷を潰す計画を立ててやってんのに、総長たちは怖気づいて『やめろ』なんて抜かしやがるから」
拘束している2人や遊馬が双雷だと知ってか知らずか、ペラペラ内情を喋ってくれた。
こいつ、魁皇の下っ端だったんだ。
ナイフを持っていたのも、偶然じゃなさそうね。
「それでストレス発散に、あのカラスを殺したっていうのか?」
「ああ。つーか、なんでそこまで騒ぐんだよ。バカじゃねぇの?」
野次馬を見渡しながら、嘲笑う。
「死んだのは、たかがカラス1匹だぜ?人間を殺したわけでもねぇのに、騒ぎすぎだっつの」
あぁ、こいつはとんだ愚か者だ。
自分が何をしてしまったのか、何を言っているのか、わかっていないらしい。
気づいてないの?
みんな、引いてるよ。
あんたの最低さに。