番犬男子
あたしは遊馬の背中をバシッ!、と勢いよく叩いた。
「いった!!」
「堂々としてなよ。遊馬は何も間違ったことはしてないんだからさ」
それに、あたしも黙ってられなかった1人。
遊馬とおんなじだよ。
謝ることなんてない。
よかったんだよ、これで。
天才と不良が不良を制裁しただけのことだ。
「ねぇ、あのカラスどうするのかな」
「さあ?」
ふと、カラス殺しの男子がいなくなったことで、余計に騒然とした野次馬の声が、耳をかすめた。
どうするって、あのまま放置してたら可哀相でしょ。
きちんと葬礼してあげなくちゃ。