番犬男子
俺たちの視線が、スマホの画面に集まる。
検索結果最初のページに出ていた記事のほとんどが、外国のものだった。
日本語訳されていない記事を開いてみる。
「うわっ、なんだこれ。読めねぇ……」
「簡単に訳すと、最年少で名誉ある賞を授与された、かしらね」
バカな遊馬のために、かしこい雪乃がわざわざ説明してくれた。
他にも、重要な研究に携わったとか、大統領と対談したとか、アメリカの有名な学校で日本人初となるトップの成績を収めたとか。
ここ最近のものだけでも、風都千果が得た数多くの栄光が掲載されていた。
こんなの見たら、なおさら兄妹だとは思えねぇ。
これらの記事が全て事実だったら、あの女は……。
「こういう人を『天才』って言うんですかね」
背後で、ちょうど俺が考えていたことと同じことを言われ、反射的に振り向く。
「……幸汰も見てたのか」
「はい。お茶の用意ができたので、こっそり混ざってました」
幸汰が持っているトレイには、ダージリンティーを淹れたティーカップが人数分乗せられていた。