番犬男子
テーブルに、ティーカップが並べられていく。
幸汰に礼を告げて、ダージリンティーを一口飲んだ。
うん、美味い。
相変わらず、幸汰はお茶を淹れるのが上手いな。
「風都千果さんについて、もっと調べておきますか?」
幸汰が、俺の座る赤のソファーの脇に立って、尋ねてきた。
俺は少し悩んで、瞼を伏せる。
「ああ、念のため調べておいてくれ」
調べたら本当にあの女が俺の妹だと判明しても、俺はきっと受け入れられないだろう。
ただでさえ、父さんと母さんとだって時々連絡を取り合う程度なのに、突然妹だっていうやつが現れて。
信じられるわけがない。
あの女に抱きしめられた時、少し泣きそうになった自分がいたことも、気のせいに決まってるんだ。