* * *

当日を迎えた。

「お弁当よーし、すいとうよーし、お菓子よーし、お財布よーし、レジャーシートよーし」

ひかるはリックサックの中に入っている中身を全て確認すると、ふたを閉じた。

それを背中に背負うと、帽子をかぶった。

「おばあちゃん、行ってくるねー」

リビングにいる祖母に声をかけると、ひかるは玄関へと足を向かわせた。

歩きやすいようにとスニーカーを履くと、ひかるは家を出た。

今日は豪と動物園に行く日だ。

動物園の行き先が知らないと言う豪のために、ひかるは彼を自宅まで迎えに行き、そこから動物園へ向かう予定だ。

「豪くん、待ってくれてるかなー?」

ひかるはスキップをしながら、豪が住んでいるアパートへと足を向かわせた。
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