愛を知らない一輪の花
そんな言葉に優香は眉間に皺を寄せた。
スタッフのうち1人が答えた。
「今日は朝一から斉藤さんが1人で配送業務をおこなっています。今も午後からの予約分の配達にでてます。」
それを聞いて、蓮は優しい顔をした。
「そうか。斉藤さんが、、。電話をくれた女性の話を聞いて、とても誇らしく思ったよ。クレームも多い中、御礼の電話なんてなかなか貰えないよ。皆も彼女を見習って、自然と気遣いができる人間になって欲しい。、、以上だ。忙しい時に邪魔してすまなかったね。業務を続けてくれ。」
そう言うと、社長室に戻って行った。
その後ろ姿を見て、優香は悔しそうに、拳を握り小刻みに震えていた。