愛を知らない一輪の花
時計を確認し、完成した花束を持って急いでお店へと向かった。
着いたのは、落ち着いた雰囲気のキャバクラで、入り口に立っている男性に声をかけた。
「すみません。リス・フルール本店の斉藤と申します。本日、石川様のご依頼でエミ様宛てにお祝いの花束をお持ち致しました。」
声を掛けられた男性スタッフは百合から花束を受け取り、店から支配人らしき男性を連れて戻ってきた。
「君があの花束を作った子?今日誕生日のエミちゃんによく似合う花束だね。それより、君凄く綺麗だね?うちで働く気ない?今の所のお給料で満足してる?倍額だしちゃうよ。どう?」
「いえ、私はその、、配送に来ただけでして、、!今の仕事がすごく好きで、転職する気は一切ございません。」