愛を知らない一輪の花
ハッキリと伝えるが、男性はなかなか諦めてくれない。
「そんなこと言わずにさ、君ほど綺麗で物腰柔らかい子はなかなかいないよ。」
「いえ、ですから、、、」
困り果てて、後ろへ一歩下がった所で聞き覚えのある声がした。
「支配人、困ります。うちのスタッフを口説かないで頂きたい。」
「っ!これはこれは松下様!!いらっしゃいませ。松下様のスタッフでしたか、とんだ失礼を致しました。余りにも美しかったものですから、つい。」
取り引き先の人間を引き連れた蓮が、困った顔をして百合の背後に立つ。
その後ろから、次々に百合に質問が飛ぶ。