愛を知らない一輪の花

都内の映画館は平日の影響で、人はまばらだ。

2人で観る映画を選び、蓮は百合をソファーに座らせ飲み物を買いに行った。






映画なんて学生ぶりで、ワクワク蓮を待つ百合は、背後から肩を叩かれた。
振り返るとそこには、かつて恋人だった雅也の姿があった。


「百合、、、。久しぶり。元気そうだね。」

「雅也さん。お久しぶりです。」


優しく微笑む百合に、雅也は顔を歪めた。


「後悔してるだ。君の気を引きたくて、、、浮気した事。そんな最低な事をした俺のこと、君は悲しむことも、怒る事もしなかったよね。笑って許してくれた。、、、辛かったんだ。俺ばっかりこんなに好きで。」

そんな傷付いた雅也に悲しくなった。
やはり自分の様に、感情を欠落した欠陥品は恋愛をしてはいけないんだと。
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