愛を知らない一輪の花
身体の息苦しさに目が覚めた。
隙間なく抱きしめられた身体は、身動きが取れない。
あの日のような激しさの中、何度も名前を呼ばれ強く抱きしめられた。その度に、百合の中の感情が揺さぶられ、求められる事に嬉しささえ感じた。同時に、この腕に抱かれた過去の女性に黒い感情が芽生えた。何かわからないこの感情は、蓮からより一層離れがたくさせた。
寝返りを打ち、身体が離れた隙に急いでベットから降りた。
持って来たバックから下着を取りだし素早く身に付け、部屋着のマキシ丈のワンピースに厚手のモコモコとしたパーカーを着て、リビングに向かった。
ソファーに散らばる服を見て、昨日の激しさを思い出し慌てて掻き集め、バックに締まった。
蓮の服は近くにあったハンガーに掛けた。
そしてキッチンに立ち、腕をまくる。