愛を知らない一輪の花
「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。」
ショップの女性の声を後ろに、足早に店を出て行く透に慌てて駆け寄る。
「支店長待ってください!私、お会計がまだです!!」
一瞬、足を止め振り向かずに答える。
「もう終わってる。行くぞ。」
「駄目です!支店長!困ります!!」
「この前の急なヘルプの迷惑料だと思って払われとけ。これ以上言うと置いて行くぞ?」
「ま、待ってください。ありがとうございます!すみませんっ、もう黙りますのでお願いですから、置いて行かないで下さいっ!!」
透は、慌てて助手席に乗り込む百合見て、表情を緩め、会場のホテルへと車を走らせた。