愛を知らない一輪の花
「初めまして。駅前支店の斎藤百合です。宜しくお願い致します。朝早くの市場ご苦労様です。」
「はい、勿論!」
「ありがとうございます。助かります。場慣れしていなくて恥ずかしい限りです。」
「恋人はいません。仕事で精一杯で、、。」
「支店長とですか?!まさかです!素敵なお相手がいらっしゃるんじゃないでしょうか。」
「忘年会の後はそのまま泊まる予定ですよ。」
「私お酒が弱くてご迷惑をお掛けしてしまいますので、ご遠慮しておきます。でもお誘いありがとうございます。」
1人1人に微笑みかける。そんな優しい百合に次々と人が群がる。後ろに一歩下がると、トンと何かが背中に当たった。
「悪いが、こいつは人混みが苦手でこういうのに慣れてないんだ。座らせて休憩させる。他当たれ。」
振り向くとそこには透が立っていた。
群がっていた男達は透の顔に恐れをなし退散していく。