【完】こちら王宮学園生徒会執行部
「……やだ。
今日は入浴剤入れてゆっくりお風呂入って、パックしてマッサージまでするリラックス日にするって決めてるの」
……本当はいま決めたけど。
こうでも言わなければ、絶対に納得してくれない。
でもお風呂に一緒に入るなんて、考えなくても先に答えが出る。無理。
もはや知らないところなんてないほどに見られて知られ尽くしてはいるものの、それとこれとは別だ。
「、」
恥ずかしいし、返事を聞くまでもなくこの話はもう終わり。
そんな意思表示のつもりで、彼から顔を背けてスマホへ視線を向ける。表示されているのは『いつなら空いてる?』というメッセージ。
送り主はみさとで。
この頃はめっきりお昼を一緒に過ごせなくなってしまったこともあって、放課後か週末に遊ぼう、という話をしていたから、その日時を決める連絡だ。
今週末は、空いてないし……
放課後だといつみ先輩が誰かとご飯に行く日や、飲み会に誘われた日じゃなければ難しい。
まあ、彼も夕飯くらいはひとりでなんとか出来るけれど。
わたしの用事のために彼に余計な手間をかけさせたくないし。
「……週末、」
今週はもう予定が詰まってるから、それ以降がいい、と。
返信をして何気なく視線を戻した先で、こっちを見ていた彼とがっつり視線が絡んでしまった。
……もしかしてずっと見てたんだろうか。
「んっ……」
身をよじって視線から逃れようとすれば、それよりもはやくキスで縫い止められる。
しかもソファの上で寝転んでいたせいで、上からのキスを受けてしまえばもう、逃れる場所がない。
「……っ、ちょっと、」