お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
白衣を着たドクターは長身で、見たこともないくらいのイケメンだった。

髪の毛はクセっ毛なのか緩くウエーブしていて、健康そうに日焼けした肌がそのカッコ良さを倍増しにしてる。

少し太めだけどきちんと整えられた眉がキリリと眉尻に向かって上がり、それに対して二重の目元は少し垂れ下がっててキュートだ。

鼻筋も眉間の辺りから高く、口が悪いと評判な唇は厚めで肉付きも程よい。


こんな人がオフィスの近所にいたのか…と見てたら、イケメンドクターが口を開いた。


「あんたか、ウチの前で転んだと言うドジは」


上から見下ろしてくる相手に目が釘付けになり、そのまま無言になってしまった。


「何処を打ったって?…顔か?」


膝を折ると目の前に跪き、どれどれ…と言いながら近寄ってくる。


「先生、顔じゃありませんよ。右膝です」


看護師さんが後ろから膝を指差す。
こっちは注がれた視線を外せなくて戸惑いそうになってたから有難い。


(さすがは天使だ!)


変に褒めてたらドクターの右手は遠慮もなく私のスカートを捲り__


「ひゃああ!」


「騒ぐな!どれだ。ああ、これか」


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