お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
同級生達がラインで喋ってた。


「その繋がりでね、今でも時々オペに呼ばれるって言ってたよ。外科部長にも信頼されてるらしくて、なかなか開業一本でやらせて貰えないんだと話してた」


自画自賛してんのか。
変な人。


「今日も大きなオペがあると言ってたけどね。終わったら飲みに来るって話してたし」


「えっ!ここに!?」


「そう。オペが終わると大抵此処に来るよ。弟さんとかそれから…」


彼女とか?


そう問いかけようとしたらマスターの視線が動いた。
出入り口の方に向かって手を上げ、「いらっしゃい」と呼んでる。


知り合いの人が来たのかと思って振り向いた。
そこにはスーツ姿の彼がいて、それからあの美人も一緒で。


「丁度良かった。新君にお客さんだよ」


マスターは寄ってきた人に向いてそう言う。
私は別に彼を待ってた訳じゃない。


「客?」


他のお客さん達を避けてきた人が、私に気づいて立ち止まった。


「あんた…」


そう言うと側にへ来て、大きな声を出した。


「またメーワク掛けてんのか!?」


キーンと耳に響く声に驚き、少し背中を仰け反らす。

< 101 / 203 >

この作品をシェア

pagetop