お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
椅子から立ち上がり、スマホをテーブルから拾い上げた。リビングを出て食堂へ行こうとドアレバーに左手を掛けたところでバイブにしていた電話が震えた。



「……やっとか」


時刻を見ると午後八時。
こんな時間まで何をやってるんだ。


「…はい。もしもし」


怒るなよ、と自分に言い聞かせて電話に出た所為なのか、思いきり無愛想な声になった__。



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